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【刀剣、鎧、兜、小道具】青山不動

2020/12/02

『番外編 甲冑納品雑記①』

甲冑

こんにちは。

青山不動店主の深海でございます。

 

今回から番外編として四回にわたって、店主が先日、関西在住の日本刀収集家のお客様に甲冑を納品させて頂いたときのことを書こうと思います。

とても懇意にさせて頂いているお客様が、関西のとある場所に新居を構えられました。その方はビジネスで非常にご多忙にしておられることから、個人事務所も兼ねたご自宅を建築されました。

新居は奥様とのご相談の上、設計から十二分にお時間をかけられ、その結果、和と洋が見事に折衷した素晴らしい邸宅となりました。

 

ご主人は日本刀に深い造詣をお持ちのような方ですから、和を軸にした、しかしコテコテの和風ではなく、上品で品格のある近代的な書斎と客間をプロデュースされました。そこに日本刀以外のもので、さらにお部屋に風格を引き立てるものが何かないかというご相談を私どもに頂戴しました。

ちょうどこのお客様にぴったりの、上級武将所用の、実戦的でありながら金色(きんしょく)を多くまとった当世具足(とうせいぐそく)を在庫しておりましたのでご覧頂いたところ、大層お気に召して頂き、お納めすることになりました。

 

甲冑は、納品当日の午前中に到着するよう、宅配便で先に発送しておりましたので、私は午後一番に身一つで新居にうかがいました。

タクシーの運転手さんに町名と番地を伝えると、「ナビだとピンポイントでは出てきませんね、新しい住所ですかねえ」と、言われたので「ええ、新築のお宅なんです」と答えました。現地と思われる場所に到着し、運転手さんが「このあたりだと思うのですが見当たりませんねえ」と言われ、まわりを見回しても確かにどちらかの団体の会館とおぼしき建物しか見当たりません。いぶかしみながら運転手さんに番地を確認してもらうと、このブロックには間違い無さそうとのことなので、徐行してブロックを一周して頂きましたが、やはりそれらしい新築のお宅は見当たりません。

最初に「このあたり」と言われた場所でタクシーを降り、徒歩で一軒一軒表札を確認することにしました。まずは、ここはさすがに違うでしょ、と思った最初の会館から。広い駐車場の横手にある通用門らしきところにかかっている表札を念のため確認したところ、「オフィスT」との文字を確認し、訪問前のため口に含んでいたエチケットフリスクを思わず吹き出しそうになりました。広い駐車場と、ぐるりと巡らされた高い壁、大きくそびえる建物の威容で「会館」と認識していた建物は、よくみると瀟洒でモダンな建物でした。

「このあたりのはず」ということで到着した最初の建物が、そう、やはりT様のご新居だったのです!

私ごとき平民の狭い先入観で、個人のお宅ならこれくらいの大きさ、と勝手に思い込んでいたことが誤りでした。

様々なことに関して独特のこだわりをお持ちになるT様ならではの新居に相応しいなと、妙に納得いたしました。

 

つづく。