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【刀剣、鎧、兜、小道具】青山不動

2021/05/26

『鯉は龍になる?鐔の画題にも見られる鯉について』

こんにちは。青山不動スタッフでございます。

先週、「鐔 無銘 甚吾 登竜門図」という鐔をサイトに掲載いたしました。鯉が滝を登っていくようすが表されている鐔です。
「鯉は実際には滝を登ったりしないのに、なぜこのように表現されているのだろう…」と疑問に思ったので、画題として扱われている鯉について調べてみました。
 

鯉のぼりの由来にも関わっている、鯉が龍になるという伝説

中国には鯉にまつわる伝説があります。中国にある竜門と呼ばれる峡谷を登りきる鯉は龍になれるという伝説です。この伝説にちなんで、鯉は縁起のいいものとされるようになりました。”登竜門”という言葉もこの伝説が由来になっています。”竜門”を”登る”から”登竜門”ということなんですね!毎年、5月になると町中で見かける鯉のぼりも、男児の立身出世を願ったもの。鯉が画題として扱われる理由は、こういった背景があるためだということが分かりました。
 

志水甚五による”鯉”

「肥後金工大鑑」の273pに甚五が製作した、鯉を扱った鐔の写真が掲載されていました。

271.鯉魚図鐔 竪長さ7.0cm 横長さ6.9cm 耳の厚さ0.5cm 木瓜形、鉄槌目地、鋤出高彫、銀布目象嵌、毛彫、両櫃孔、角耳。※1

271.鯉魚図鐔 竪長さ7.2cm 横長さ6.8cm 耳の厚さ0.45~0.5cm 木瓜形、鉄槌目地、鋤出高彫、銀布目象嵌、毛彫、両櫃変り孔、片櫃穴赤銅埋、角耳。※1

 

両方とも鯉の頭が右下、尾が左上に位置しており、鐔の地には全面に波が描写されています。構図はたいへん似ていますが、鯉の顔のバランスや波のかたちが異なっているところが面白いですね。

このように江戸時代に縁起物として扱われていた鯉を、現代もなお縁起物としてさまざまな場所で見かけられることに、時代を感じてグッときます。

 
ここまでブログを読んでいただき、ありがとうございました!
また次回のブログでお会いいたしましょう!
 
※1 佐藤寒山博士 1964年 『肥後金工大鑑』財団法人日本美術刀剣保存協会 pp272~273