
小柄 銘 菊岡光政(花押) 扇子に蝶図
300,000円(税込)
商品説明
菊岡光政は菊岡派創始者光行の弟で、同じ柳川直光門下にて修行し、兄を助け菊岡派の創設に協力し隆盛のために尽くし、菊岡派の有力工として活躍しました。
菊岡家は父祖の代から俳諧師・著述家としても高名で、文化人・工芸家として名を馳せておりました。従いまして作風も単なる職人仕事のものとは一味違い、格調高い作品を多く遺しています。
この小柄は、最上質の赤銅を素材に緻密な魚子仕立てとし、中央に紋高く金無垢の扇子と蝶を据えています。
扇は神の依代であり、豊穣の象徴であり、贈与の対象であり、かつて儀礼や正装に不可欠なものでした。
蝶はその美しさからよく文様として採り入れられ、奈良時代には正倉院御物の碧地金銀絵箱などにその文様をみることができます。
扇を使った江戸時代の代表的な遊びに「投扇興」というものがあります。扇を投げて枕(台)の上の蝶(的)にあて、扇と蝶の位置で点数を競うもので、源氏物語五十四帖に因み、五十四通りの倒れ方があるとされています。この図は、単に扇と蝶を描いただけでなく、投扇興の換喩として表現されたものかもしれません。
扇に蝶という主題を、凛とした直線と柔和な曲線を用い、品位を失いかねない金(きん)という難しい素材を使いここまで格調高く仕上げることは、柳川光政の力量を抜きにして考えることはできません。
ぜひお手元でこの小柄が放つ威風堂々とした気高さを感じて頂けたらと思います。
お目出度たい図柄の華やかな一品(ひとしな)です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代後期
- 製作国
- 武蔵 国
- 製作手法
- 赤銅魚子地金紋 裏板金哺
- 鑑定書種別
- 特別保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 小柄 長さ
- 97.4 ミリ
- 小柄 幅
- 14.8 ミリ