
鐔 無銘 鎌倉 四方星透卍文散図
140,000円(税込)
商品説明
槌目を施した薄手の鉄地に、写生風の図柄や文様的な図案を鋤出彫にし、小透を加えたものを鎌倉鐔と呼称しています。
この鐔は八つ木瓜形に造形した鉄地に、四つの右卍紋を鋤出彫にし、四つの星を透かしています。鐔全体では九曜紋を表していると思われます。
卍の成り立ちには様々な説がありますが、太陽の光を発している様を形象化したものというのが一般的なようです。卍紋の形は古(いにしえ)より中国、欧州、中東、中南米など世界各地においてそれぞれ自然発生的に案出され、聖なる印として用いられてきました。
日本では主に仏教で用いられ、吉祥の相として全ての徳の集まるところとされています。
また卍紋は家紋としても多く使われています。阿波の蜂須賀家の家紋(左卍紋)として使用されていたことは有名ですが、江戸時代には六十余家の大名家で卍紋が用いられました。
九曜は古代インドで占星術に用いた星のことで、羅睺(らご)、土曜、水曜、金曜、日曜、火曜、計都(けいと)、月曜、木曜の九つをいいます。日本ではこれらを仏身の不動明王、聖観音、弥勒、阿弥陀、千手観音、虚空蔵、釈迦、勢至、薬師に具象化し、九曜曼荼羅として信仰してきました。
戦国の世に生きた武士が、吉祥の願いと、信仰の心と、一族の誇りをこの鐔にこめて、戦場を駆けたのではないでしょうか。
詳細データ
- 時代
- 室町時代
- 製作手法
- 鉄槌目地鋤出彫陰透鋤残耳
- 鑑定書種別
- 保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 88.4 ミリ
- 横
- 87.4 ミリ
- 切羽台厚さ
- 3.0 ミリ
- 耳際厚さ
- 2.0 ミリ