
鐔 古金工 波濤栗鼠図
85,000円(税込)
商品説明
我が国には二ホンリスという平地から低山地に生息する固有種が存在しており、リスは日本人にとってとても馴染み深い動物です。
漢語の「栗鼠(りっす)」の促音「っ」が脱落して「リス」となったもので、刀装具においても葡萄との組み合わせで「武道に律す」という語呂合わせから、しばしばその画題に用いられています。
またリスは多産・多幸の象徴でもあり、古来吉祥の動物とされてきました。
この鐔は木瓜形の山銅地に、愛らしい栗鼠とややデフォルメした波濤を鋤出彫で表現しています。
山銅(やまがね)とは未精錬の粗銅のことですが、鐔の素材とする場合は強度を増すため白目と呼ばれる錫と鉛の合金を混ぜて用いられる場合が多く、武用の備えとしての役割が考慮されています。
また白目を交えた山銅の色合いと質感は独特のもので、とても古雅な味わいを感じさせてくれます。
栗鼠は据紋ではなく、鋤下彫にて紋高く彫り表されており、古(いにしえ)の金工の高い技術と手間がみてとれます。
自らを律することで高い荒波という障害をものともせず進んでいくという、武士の矜持を表した誇り高い一枚です。
詳細データ
- 時代
- 室町時代
- 製作手法
- 山銅地鋤出高彫共金覆輪耳
- 鑑定書種別
- 保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 68.6 ミリ
- 横
- 60.4 ミリ
- 切羽台厚さ
- 5.0 ミリ
- 耳際厚さ
- 4.2 ミリ