
鐔 無銘 勘四郎 枝菊透
600,000円(税込)
商品説明
初代西垣勘四郎は慶長十八年(1613)豊前国に生まれ、平田彦三の弟子となり鐔や金工の細工を学び、相伝免許を許され独立開業しました。その後細川家抱え工として細川三斎公の薫陶を受け、茶道の美につながる風趣を鐔に表現しました。主家の移封に随従し寛永九年より肥後国八代に居を移しております。
林又七と同年配であり、君子の風格を持つといわれる又七に対し、勘四郎は高士の風雅を持つと対比されます。肥後の中でもやや薄手で鏨の利いた毛彫を加え、繊細な感があると評されます。初代勘四郎の鐔に在銘のものは無いとされております。
この鐔はやや下方が張った菊花形に造形され、全体から堂々たる風格を醸しています。
耳の輪郭のみで菊の花弁を表現しつつ、具現化した花弁と葉の先端を輪郭の内側に重ね合わせることで画面上の広がりを持たせています。
花と葉の造形は比較的簡素に描写されていますが、曲線を有効に用い意匠することで、まことに伸びやかで勢いのある躍動感が感じられます。
西垣の毛彫は林のものと比較し精細を極めるといわれますが、この鐔にも菊の花芯や葉の葉脈に細かい毛彫が施され、大胆な構図とは対照的にしなやかで麗しい仕事ぶりが見てとれます。
ねっとりとした精美な地鉄はなんともいえない深い味わいがあり、落ち着きのある鉄の美しさが心に深く沁みわたってきます。
掌中にてじっくりと鑑賞して頂きたい一枚です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代初期
- 製作国
- 肥後 国
- 製作手法
- 障泥菊花形鉄地地透毛彫丸耳
- 鑑定書種別
- 特別保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 81.4 ミリ
- 横
- 78.8 ミリ
- 切羽台厚さ
- 5.2 ミリ
- 耳際厚さ
- 4.7 ミリ