
鐔 無銘 甚吾 浪切不動明王図
200,000円(税込)
商品説明
志水甚五は独創的で強烈な意匠を現したことで知られる肥後金工中の名流です。鉄槌目地の板鐔に真鍮据紋式の高彫と、金や銀を多用した布目象嵌の二種類の出来を得意としています。
この鐔は「浪切不動明王」を表したものです。
弘法大師が唐での留学を終え帰国の途中大きな嵐に遭遇し、その際不動明王に無事の航行を祈りましたところ、全身から光を放った不動明王が荒波を切り開き弘法大師を救ったという伝承があり、全国の多くの寺院で浪切不動明王が祀られています。
この鐔の表は、降りしきる雨とうねる波を薄肉彫で表し、波頭には甚吾が得意とする銀の布目象嵌があしらわれ、ほとばしる波しぶきの様子がよく表現されています。
右上には光背を発する真鍮象嵌で表された不動明王の梵字が据えられ、まさに荒波を切り開く場面が投射的に描かれています。
裏面にも表と同様の手法で雨と荒波を描きながら、この嵐を乗り切ることを暗示させる瑞雲が、銀の布目象嵌で彩られ浮かべられています。
艶のあるねっとりとした地鉄はなんともいえない深い味わいを醸しております。
世間の荒波を切り開き煩悩を消し去るべく、この浪切不動明王にあやかりたいものです。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代中期
- 製作国
- 肥後 国
- 製作手法
- 鉄地左右笠陰透薄肉彫金銀真鍮象嵌角耳小肉
- 鑑定書種別
- 保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 79.7 ミリ
- 横
- 74.2 ミリ
- 切羽台厚さ
- 4.8 ミリ
- 耳際厚さ
- 4.4 ミリ