
鐔 無銘 京献上 桐鳳凰図
200,000円(税込)
商品説明
「京献上」と呼ばれる鐔の名前の由来はいろいろあるようです。
元禄の頃に十一屋吉兵衛という商人が製作販売した鐔を十吉鐔とか、献上鐔としたとする説。西国筋の武士が江戸勤番から帰国する折、京都土産として買い求め帰藩して主君に献上したものとする説。京都で市販されていた見目の美しい鐔を京土産として買い求め自国に持ち帰ったものとする説。
いずれにしても献上に値するような美麗な鐔であったことからの呼び名と思われます。
鳳凰は聖王の出現を祝福する中国の伝説上の霊鳥で、竹の実を食べ、桐の木に棲む神の鳥といわれています。我が国では鳳凰が姿を表すときは吉兆の兆しとされ、瑞鳥とも呼ばれています。仏具をはじめ、絵画、彫刻、建築、工芸などの様々な分野においてお目出度いものの象徴として描かれてきました。
桐は霊鳥たる鳳凰が棲む樹といわれ、また、災いを避ける魔除けの効力があるともいわれています。
平安のはじめごろには鳳凰が桐の文様とともに衣服にデザインされていたようです。北条氏綱が鶴岡八幡宮に奉納した桐鳳凰蒔絵糸巻太刀拵(重要文化財指定)など刀装具のモチーフとしても桐鳳凰は多く扱われてきました。
障泥形に造りこまれたこの鐔はややふっくらとした鉄地に、厚めの金をふんだんに使用した布目象嵌で桐鳳凰を描いた誠に華麗豪華なものです。正阿弥派の手法を踏襲していますが、ルーペで観察しますと象嵌がなされていない鉄の平地にも布目状の鑢目を施すことによって抑揚が付けられており、細かい仕事が行き届いています。
献上鐔の呼び名に相応しい赫々たる華やかな一枚です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代
- 製作国
- 山城 国
- 製作手法
- 鉄磨地金布目象嵌
- 鑑定書種別
- 特別保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 67.8 ミリ
- 横
- 62.2 ミリ
- 切羽台厚さ
- 4.5 ミリ
- 耳際厚さ
- 3.0 ミリ