
小柄 銘 後藤法橋一乗(花押) 北斗七星図
1,500,000円(税込)
商品説明
後藤一乗は寛政三年(1791)京都にて後藤七郎右衛門重乗の次男として生まれました。七郎右衛門家は、顕乗の流れをくみ、殷乗を初祖とする後藤分家中の有力家系の一つです。九歳のときに八郎兵衛謙乗の養子となり、文化二年(1805)、十五歳で家督相続し、八郎兵衛家の六代目当主となりました。
文政七年(1824)、光格天皇佩用の正宗の装剣具製作を行い法橋の位に除され、これを機に一乗と名乗り、一乗光代と称しました。
文久二年(1862)孝明天皇の太刀拵を製作し、文久三年(1863)、七十三歳で法眼の位に除されました。
また一乗は自ら彫技を駆使するだけでなく、一乗細工所を経営し、一琴、一至、一匠など多くの名工を養成しました。
一乗は後藤家の掉尾を飾る名工であると同時に、加納夏雄とともに我が国彫金界の最後を飾る名人です。
北斗七星は、よく知られていますよう北の空にある「おおぐま座」を構成する斗、すなわち柄杓の形をした七つの星です。聖徳太子の剣と伝えられる七星剣や正倉院所蔵宝物の呉竹鞘杖刀に北斗七星が象嵌されており、国の政(まつりごと)は七個の星の運行のように一定の法則に従った狂いない運用であるべきという願いが込められていたようです。
この小柄には前述の七星剣・呉竹鞘杖刀と同様、北斗七星と瑞雲が描かれています。
北斗七星をはじめとする天の星々を金と銀の露象嵌で散りばめ、渦巻く瑞雲を四分一の高彫で、流れる雲を金の平象嵌で描き、全体的に非常に均整のとれた品格のある画面構成としています。
裏面の金哺には品の良い鑢がかけられ後藤法橋一乗の銘と本花押が切られています。
名工一乗が国家の安寧を願って製作した名品です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代後期
- 製作手法
- 赤銅魚子地高彫色絵
- 鑑定書種別
- 特別保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 小柄 長さ
- 97.2 ミリ
- 小柄 幅
- 14.8 ミリ