
鐔 銘 福井次左衛門 左右瑞雲透
180,000円(税込)
商品説明
福井次左衛門、戸田彦左衛門、桜山吉(三代山吉兵)の三工は「元禄三作」と呼ばれ、江戸中期を代表する尾張の鐔工として賞賛されています。
尾張徳川家の兵法指南、柳生流五世の柳生巌包連也(としかねれんや)が、柳生流兵法の教えを鐔に託して作成させたものを「柳生鐔」と呼んでいますが、福井次左衛門は連也の指示によって柳生鐔を製作した鐔工の一人と言われております。
木瓜形に形どられたこの鐔は左右に瑞雲形の透が施され、透には巴形の波しぶきのようなものが造形されております。波は柳生鐔のモチーフとしてよく用いられており、その影響をうかがわせます。
透の際はキリっとして緊張感があり、特に波しぶきの先端は繊細に彫り表されており、次左衛門の高い技術が見受けられます。
向かって左の瑞雲透は閉じた印象を受け、右の透は開いた印象を受けます。「剛と柔」、「攻撃と防御」などの「陰陽」を象徴しているのかもしれません。これも柳生流兵法の極意を表したものでしょうか。
耳際が5ミリ程度の幅で鋤残され覆輪状の土手耳とされており、鐔全体の印象を引き締まったものにしています。
槌目をつけ焼き手をかけた地鉄の表面は微妙な凹凸をなし、耳には線状の鉄骨が見てとれ、それぞれ味わい深い景色となっております。
柳生鐔との共通点も認められる、福井次左衛門の貴重な在銘作品です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代中期
- 製作国
- 尾張 国
- 製作手法
- 鉄槌目地陰透土手耳
- 鑑定書種別
- 保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 81.5 ミリ
- 横
- 78.4 ミリ
- 切羽台厚さ
- 4.1 ミリ
- 耳際厚さ
- 5.3 ミリ