
鐔 銘 間 梅松熨斗図
650,000円(税込)
商品説明
間鐔とは、伊勢国亀山に在住した鐔工たちの総称で、地名を指して「亀山鐔」と呼ばれることもあります。江州国友村の鉄砲鍛冶は、太平な時勢が続いたため徳川幕府からの仕事が減少し生活が成り立たず転廃業せざるを得なくなり、その一部の独立開業した人たちにより作られ始めたのが間鐔の起源と言われております。
鉄地丸型の鐔に、サハリと呼ばれる白灰色を帯びた合金を嵌入して製作したものを間鐔の特徴としています。
この鐔は碁石形としたものに、表を梅と松、裏には熨斗の意匠をデザインしたもので、サハリ象嵌に加え、金で布目象嵌と線象嵌を施した、非常に珍しいつくりのものです。
松はいかなる風雨にもひるまない強烈な意思を表し、梅は風雪の試練に耐えたのち、年の初めに馥郁たる香気を放つ清廉な花を開き、熨斗は祝儀の進物に添える色紙で、いずれもおめでたいものの象徴です。
表の梅花と松葉が瀟洒に金でデザインされ、また描き方の違う梅花と松葉がサハリ象嵌により彫り表わされ、その対比が面白いものです。裏には鐔面いっぱいに熨斗が描かれていますが、サハリ象嵌らしい虫食い状となった象嵌が得も言われぬ味わいを醸しています。雅味横溢といった深い風韻をもった一枚です。
詳細データ
- 時代
- 江戸時代中期
- 製作国
- 伊勢 国
- 製作手法
- 鉄磨地砂張象嵌
- 鑑定書種別
- 特別保存刀装具(日本美術刀剣保存協会)
- 縦
- 77 ミリ
- 横
- 77 ミリ
- 切羽台厚さ
- 4.3 ミリ
- 耳際厚さ
- 1.5 ミリ